お地蔵さんが「地の蔵」から無償でくださった土で、僕がイメージした形を土に映してゆきます。
ほとんど写真などを見ずにイメージを大切にしながら、造作してゆきますから手足が大きかったり、頭が大きかったりしますが、これが小林牧牛の陶人形になっていると思ってます。
型はどんなことがあろうと絶対使わないと心に決めてますから、焼く過程で壊れやすくなりますが、壊れるか壊れないかの限界のところで作り上げていくほうが、面白い人形が出来上がると信じてます。
そんな冒険をおかしても表情豊かにしたいと考えてます。
できあがった人形たちは、僕の手から離れて「火の神さま」の洗礼を受けなければなりません。
僕の出来ることは「無事に誕生しますように」と祈るだけです。
窯から人形たちを出すときは、いくら経験を積んでいても心配でしかたありませんが、弱い人形は火の洗礼を受けて壊れてしまいます。
強い人形のみが無事に誕生しますが、これも自然の摂理だと思うことにしてます。
どうか、土から生みでた子供たちよ、灼熱の炎に耐えた力で強く強く命あふれる生命をたくさんの人々に与えてくれ。