この決心が大変なことになりました。
妻を筆頭に両親、兄弟、友人、私に陶芸を教えてくださった先生までも賛成してくれる人は誰一人おりませんでした。
今、私の子供から陶芸家になりたいと相談されたら、私も大反対するでしょうから無理もないことです。
このような状況のなか、大変なプレッシャーに押しつぶられそうでしたが、この世界で生きようと決めたからには、どんなことでもしようと心に固く決めたのでした。
まず、私が作った陶人形を売ってくださるお店を捜さなければなりません。
そこで、現役の陶芸家に日本で一番難しい場所はどこか聞いたところ、京都は閉鎖的で他県の者はなかなか受け入れてくれないので、あそこは無理だと冷笑されました。
「京都は名もないものが行っても交通費が無駄になるだけだからやめとけ」と言われましたが、このような難しい場所で取引できれば、後はそれほど苦労しなくっても全国に広がっていくんではないかと考え、京都に行く決心をしました。
「諦めたらここでおしまいだけれど、諦めなければそこから始まる」